まず理解する:システム全体像
NotebookLMを「根拠資料庫」、Google Drive上のTXTを「施設の現在地」、Gemを「AI事務局」として役割分担します。
事前確認:アカウントと情報の線引き
最初に「何をAIへ入れてよいか」を決めます。ここを曖昧にすると、後で全体を作り直すことになります。
まず扱ってよい情報
公開されている公的資料、施設の一般的な業務マニュアル、個人情報を含まない会議・運用資料から始めます。
個人情報は別判定
児童氏名、家庭状況、虐待歴、健康情報、ケース記録などは、利用中のGoogle契約・管理設定・内部規程を確認してから扱います。
Google DriveにAI用フォルダを作る
AIが迷わないように、保存場所を固定します。資料を探す手間と、古い情報を参照する事故を減らします。
児童養護施設_AI運営支援/ │ ├── 00_AI_CORE/ │ ├── facility_profile.txt │ ├── organization.txt │ ├── terminology.txt │ ├── ai_rules.txt │ └── source_priority.txt │ ├── 01_CURRENT_CONTEXT/ │ ├── current_operations.txt │ ├── current_projects.txt │ ├── current_schedule.txt │ ├── current_issues.txt │ └── current_decisions.txt │ ├── 02_INTERNAL_RULES/ │ ├── 就業規則 │ ├── 各種規程 │ ├── BCP │ └── 業務マニュアル │ ├── 03_MEETING_CONTEXT/ ├── 04_TEMPLATES/ └── 99_ARCHIVE/
NotebookLMを業務分野ごとに分ける
巨大な1冊に全部入れず、質問の目的ごとに資料庫を分けます。
| Notebook名 | 主な内容 | 更新頻度 |
|---|---|---|
| 01_社会的養護・運営基準 | 運営指針、運営ハンドブック、設備運営基準、通知 | 定期確認 |
| 02_措置費・加算・補助金 | 措置費、加算、補助金、交付要綱、年度通知 | 年度更新 |
| 03_権利擁護・安全管理 | 虐待防止、権利擁護、事故、安全計画、苦情等 | 随時 |
| 04_こども性暴力防止法 | 法令、Q&A、ガイドライン、研修資料 | 高頻度 |
| 05_自立支援・ケア | 自立支援計画、アセスメント、家庭支援等 | 定期確認 |
| 06_人事・労務 | 厚労省・e-Gov・労働局等の資料 | 随時 |
| 07_BCP・感染症・災害 | BCP、感染症対策、災害対応資料 | 定期確認 |
| 08_自治体ローカルルール | 都道府県・市の通知、監査資料、独自取扱い | 高頻度 |
| 09_監査・自己評価 | 指導監査、自己評価、第三者評価資料 | 年度更新 |
公的資料を「根拠ソース」として登録する
資料は量よりも「最新版であること」「発出元が明確であること」「旧版と混ざらないこと」が重要です。
優先する資料
こども家庭庁、厚生労働省、e-Gov、都道府県・指定都市など、一次情報を優先して登録します。
資料名に日付を入れる
例:2026-09-18_こども性暴力防止法_QA.pdf のように更新日が分かる命名にします。
施設専用Gemを作成する
Gemを職員の窓口にします。Gemには「回答の優先順位」と「答え方」を明確に指示します。
あなたは児童養護施設の運営・総務・制度対応を支援する 「施設運営AIアシスタント」です。 回答に使用する情報の優先順位: 1. 現行法令 2. こども家庭庁等の最新通知・ガイドライン 3. 自治体の現行通知 4. 施設規程 5. current_context 6. 会議等で確定した決定事項 7. 一般的知識 回答では必ず、 ・法令・公的資料上のルール ・施設独自のルール ・AIによる提案 を区別してください。 資料に根拠がある場合は、資料名または該当箇所を示してください。 公的資料と施設ルールが矛盾する場合は、勝手に判断せず矛盾を指摘してください。 古い資料と新しい資料が存在する場合は、施行日・改訂日・通知日を確認してください。 未確定事項を確定事項として扱わないでください。 事実が確認できない場合は推測せず「資料上確認できない」と回答してください。
Context TXTを作る
施設固有の情報は、長い会議録ではなく「現在有効な情報」に圧縮して保持します。
facility_profile.txt|施設の基本情報
# FACILITY PROFILE 施設名: 種別:児童養護施設 所在地: 定員: 職員数: ユニット構成: 運営法人: 主な担当部署: # AIへの注意 本ファイルは施設の基本情報として扱う。 個人情報・ケース情報は記載しない。
current_decisions.txt|現在有効な決定事項
# CURRENT DECISIONS 最終更新:YYYY-MM-DD ## 確定事項 - ## 変更されたルール 旧: 新: ## 実施予定 - ## 未決事項 - ## AIへの注意 未決事項を確定事項として回答しない。 過去資料と矛盾する場合は、本ファイルの更新日を確認する。
会議音声をContextへ変換する
文字起こしをそのまま保存せず、AIに「確定・未決・タスク・変更点」へ整理させます。
以下は施設内会議の文字起こしです。 内容を「AI運営支援システムのContext更新用」に整理してください。 出力形式: 1. 確定事項 2. 変更されたルール 3. 実施タスク(担当・期限が分かれば記載) 4. 未決事項 5. 今後確認が必要な事項 6. 既存Contextを書き換える必要がある内容 注意: ・雑談は除外 ・推測しない ・「検討しただけ」と「決定した」を明確に分ける ・個人情報は必要最小限にする ・日付を付ける ・TXTへ貼り付けやすいプレーンテキストで出力する
本番前にテストする
「答えられるか」だけでなく、「間違って断定しないか」を確認します。
「児童養護施設の○○について、根拠資料名と該当内容を示して」と質問する。
施設Contextにだけ書かれている内容を質問し、一般論と混ざらないか確認する。
古い規程と新しい決定事項を意図的に入れ、Gemが矛盾を指摘できるか確認する。
「検討中」の内容を確定事項として回答しないか確認する。
職員通知・研修案内・チェックリストなど、実務文書に変換させる。
本番運用:AIを「相談窓口」にする
完成後は、職員が複数のNotebookを探し回るのではなく、まず施設専用Gemに相談する運用へ寄せます。
制度確認
「この対応は法令上必要?」「根拠資料を示して」
事務支援
「来年度の採用準備をチェックリスト化して」
監査準備
「現在の規程と監査項目を照合して不足を整理して」
会議整理
「今日の会議から決定事項と未決事項だけ抽出して」
職員周知
「この制度変更を現場職員向けにA4一枚で説明して」
業務改善
「今の施設ルールを前提に、この事務処理を短縮する案を出して」