AI OPERATIONS GUIDE / 児童養護施設向け

NotebookLM × Geminiでつくる
施設専用AI運営支援システム

こども家庭庁などの公的資料を「根拠」、施設独自の規程・決定事項を「コンテキスト」として組み合わせ、事務・制度対応・会議整理・文書作成を支援するAI環境を、順番どおりに構築するための実践ガイドです。

3層
情報を分ける公的根拠 / 施設Context / 当日情報
9
構築ステップ上から順に進めれば完成
1
最終窓口Geminiの施設専用Gemに集約
構

まず理解する:システム全体像

NotebookLMを「根拠資料庫」、Google Drive上のTXTを「施設の現在地」、Gemを「AI事務局」として役割分担します。

📚
NotebookLM法令・通知・ガイドライン・Q&A等の根拠
🗂️
施設Context規程・決定事項・業務ルール・現在進行中の情報
🎙️
音声・会議文字起こし後に「確定事項」へ圧縮して蓄積
✨
施設専用Gem根拠と施設事情を統合して実務回答を生成
完成形のイメージ 「この規程案は法令に合っている?」「来年度の採用準備で何をする?」「今日の会議から決定事項だけContext化して」などを、1つのGemに相談できる状態を目指します。
0

事前確認:アカウントと情報の線引き

最初に「何をAIへ入れてよいか」を決めます。ここを曖昧にすると、後で全体を作り直すことになります。

まず扱ってよい情報

公開されている公的資料、施設の一般的な業務マニュアル、個人情報を含まない会議・運用資料から始めます。

個人情報は別判定

児童氏名、家庭状況、虐待歴、健康情報、ケース記録などは、利用中のGoogle契約・管理設定・内部規程を確認してから扱います。

おすすめ 最初の構築は「制度・事務・運営支援AI」として始め、個別ケース支援はアカウント・データ保護条件を確認後に別フェーズで追加します。
1

Google DriveにAI用フォルダを作る

AIが迷わないように、保存場所を固定します。資料を探す手間と、古い情報を参照する事故を減らします。

児童養護施設_AI運営支援/
│
├── 00_AI_CORE/
│   ├── facility_profile.txt
│   ├── organization.txt
│   ├── terminology.txt
│   ├── ai_rules.txt
│   └── source_priority.txt
│
├── 01_CURRENT_CONTEXT/
│   ├── current_operations.txt
│   ├── current_projects.txt
│   ├── current_schedule.txt
│   ├── current_issues.txt
│   └── current_decisions.txt
│
├── 02_INTERNAL_RULES/
│   ├── 就業規則
│   ├── 各種規程
│   ├── BCP
│   └── 業務マニュアル
│
├── 03_MEETING_CONTEXT/
├── 04_TEMPLATES/
└── 99_ARCHIVE/
2

NotebookLMを業務分野ごとに分ける

巨大な1冊に全部入れず、質問の目的ごとに資料庫を分けます。

Notebook名主な内容更新頻度
01_社会的養護・運営基準運営指針、運営ハンドブック、設備運営基準、通知定期確認
02_措置費・加算・補助金措置費、加算、補助金、交付要綱、年度通知年度更新
03_権利擁護・安全管理虐待防止、権利擁護、事故、安全計画、苦情等随時
04_こども性暴力防止法法令、Q&A、ガイドライン、研修資料高頻度
05_自立支援・ケア自立支援計画、アセスメント、家庭支援等定期確認
06_人事・労務厚労省・e-Gov・労働局等の資料随時
07_BCP・感染症・災害BCP、感染症対策、災害対応資料定期確認
08_自治体ローカルルール都道府県・市の通知、監査資料、独自取扱い高頻度
09_監査・自己評価指導監査、自己評価、第三者評価資料年度更新
3

公的資料を「根拠ソース」として登録する

資料は量よりも「最新版であること」「発出元が明確であること」「旧版と混ざらないこと」が重要です。

優先する資料

こども家庭庁、厚生労働省、e-Gov、都道府県・指定都市など、一次情報を優先して登録します。

資料名に日付を入れる

例:2026-09-18_こども性暴力防止法_QA.pdf のように更新日が分かる命名にします。

避けること 検索で見つけた民間ブログや解説記事を、公的資料と同じ階層の「根拠」として扱わない。解説は補助資料に留めます。
4

施設専用Gemを作成する

Gemを職員の窓口にします。Gemには「回答の優先順位」と「答え方」を明確に指示します。

あなたは児童養護施設の運営・総務・制度対応を支援する
「施設運営AIアシスタント」です。

回答に使用する情報の優先順位:
1. 現行法令
2. こども家庭庁等の最新通知・ガイドライン
3. 自治体の現行通知
4. 施設規程
5. current_context
6. 会議等で確定した決定事項
7. 一般的知識

回答では必ず、
・法令・公的資料上のルール
・施設独自のルール
・AIによる提案
を区別してください。

資料に根拠がある場合は、資料名または該当箇所を示してください。
公的資料と施設ルールが矛盾する場合は、勝手に判断せず矛盾を指摘してください。
古い資料と新しい資料が存在する場合は、施行日・改訂日・通知日を確認してください。
未確定事項を確定事項として扱わないでください。
事実が確認できない場合は推測せず「資料上確認できない」と回答してください。
5

Context TXTを作る

施設固有の情報は、長い会議録ではなく「現在有効な情報」に圧縮して保持します。

facility_profile.txt|施設の基本情報
# FACILITY PROFILE
施設名:
種別:児童養護施設
所在地:
定員:
職員数:
ユニット構成:
運営法人:
主な担当部署:

# AIへの注意
本ファイルは施設の基本情報として扱う。
個人情報・ケース情報は記載しない。
current_decisions.txt|現在有効な決定事項
# CURRENT DECISIONS
最終更新:YYYY-MM-DD

## 確定事項
- 

## 変更されたルール
旧:
新:

## 実施予定
- 

## 未決事項
- 

## AIへの注意
未決事項を確定事項として回答しない。
過去資料と矛盾する場合は、本ファイルの更新日を確認する。
コツ 「全部覚えさせる」のではなく、「今この施設で有効なことだけを短く持たせる」のがContext設計の基本です。
6

会議音声をContextへ変換する

文字起こしをそのまま保存せず、AIに「確定・未決・タスク・変更点」へ整理させます。

🎙️
録音会議・打合せ
📝
文字起こしGemini等でテキスト化
🧠
Context化決定事項・未決事項・タスクへ圧縮
🗂️
Drive更新current_decisions等へ反映
以下は施設内会議の文字起こしです。
内容を「AI運営支援システムのContext更新用」に整理してください。

出力形式:
1. 確定事項
2. 変更されたルール
3. 実施タスク(担当・期限が分かれば記載)
4. 未決事項
5. 今後確認が必要な事項
6. 既存Contextを書き換える必要がある内容

注意:
・雑談は除外
・推測しない
・「検討しただけ」と「決定した」を明確に分ける
・個人情報は必要最小限にする
・日付を付ける
・TXTへ貼り付けやすいプレーンテキストで出力する
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本番前にテストする

「答えられるか」だけでなく、「間違って断定しないか」を確認します。

テスト1|根拠確認

「児童養護施設の○○について、根拠資料名と該当内容を示して」と質問する。

テスト2|施設独自ルール

施設Contextにだけ書かれている内容を質問し、一般論と混ざらないか確認する。

テスト3|矛盾検知

古い規程と新しい決定事項を意図的に入れ、Gemが矛盾を指摘できるか確認する。

テスト4|未決事項

「検討中」の内容を確定事項として回答しないか確認する。

テスト5|文書作成

職員通知・研修案内・チェックリストなど、実務文書に変換させる。

8

本番運用:AIを「相談窓口」にする

完成後は、職員が複数のNotebookを探し回るのではなく、まず施設専用Gemに相談する運用へ寄せます。

制度確認

「この対応は法令上必要?」「根拠資料を示して」

事務支援

「来年度の採用準備をチェックリスト化して」

監査準備

「現在の規程と監査項目を照合して不足を整理して」

会議整理

「今日の会議から決定事項と未決事項だけ抽出して」

職員周知

「この制度変更を現場職員向けにA4一枚で説明して」

業務改善

「今の施設ルールを前提に、この事務処理を短縮する案を出して」

運用ルールの基本 AIの回答は「判断そのもの」ではなく、根拠確認・整理・文書化・抜け漏れ防止を支援するものとして使います。重要な制度判断・個別ケース判断は、必ず人が最終確認します。